収納マンの「日曜大工教室」

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ピッタリサイズの収納グッズを作るのに役立つ
収納DIYの基本を紹介します!

第6回 パイン材(1) ~パイン材とは

パイン材カラーボード に続いては、ホームセンターで扱っている板材でも代表的なパイン材 を加工していきたいと思います。それではまず、予備知識から。敵を知らずして勝つことは出来ないですからね。
まず、パインというのはいったい何者かというと、日本語で言うマツのことですね。日本のマツの自生しているのを思い出していただくとお分かりの通り、杉などの針葉樹と違って真直ぐな木ではありません。そのため、節が多いのが特徴です。また、松脂(マツヤニ)をご存知だと思いますが、パインもマツの仲間なのでヤニが出ます。

他の特徴としては、木目がハッキリしていて比較的美しい、杉などに比べると堅いということなどです。ただし、堅い木は家具などに使うと丈夫で良いのですが、日曜大工においては加工が大変とも言えます。手軽に棚を作りたくて、質感にこだわらないのなら、木目調のプリントのカラーボードを使ったほうが良いですね。
家具用材としても一般的によく使われ、市民権を得た感がありますが、家具で一般的に使われる材としては柔らかいほうです(堅い順に、楢(オーク)>楡(ニレ)>ラバーウッド>パイン>桐)。他の材については「収納市場TOPICS(1)木質系素材の見分け方」を参照してください。
また、パイン材にも色々種類がありますが、ホームセンターで扱っているものは、店にもよりますが、ホワイトパインとイエローパインのどちらかが一般的です。ホワイトパインはその名の通り色が白く、柔らかめ、イエローパインは黄身がかっていて、比較的堅めです。

パインという木についてはこれくらい知っていれば十分ですが、ホームセンターで売られている材としての特徴を知っておかなければいけません。
まず、集成材であるということ。集成材とは、簡単に言うと木をスライスして作った一枚板ではなく、細かく角材状に切って接着し、一枚の板に仕立てたものです。こうすることで、価格が安く出来るとともに、反り(変形)をある程度抑えることが出来ます。「ある程度」と言ったのは、まったく反らないというわけではなく、ホームセンターで見ていただければお分かりの通り、少なからず変形はしてしまいます。木は切った後でも生きていますからこのようなことが起こりますが、これが気に入らない人は天然木を扱わないほうが良いでしょう。

これだけ知っていればあなたもパイン材博士!(って、なんか中途半端・・・)次回以降、このパイン材を、切ったり、ネジをとめたり、棚の作り方を紹介していきますね。

第7回 パイン材(2) ~パイン材の切り方

パイン集成材今回は、パイン材の集成材 を切ってみたいと思います。とは言っても、板を切るだけだから、そんなに難しい話ではないのですが、実際にやってみると、コレが意外に難しいんですね。
まず問題は、集成材なので、木を接着した継ぎ目があること。当然、木には硬い部分と柔らかい部分があるので、硬い部分はノコギリの刃が進みにくく、柔らかいところは比較的に楽に進んでいきます。
ですから、ノコギリなら手が疲れるだけで済むのですが、問題は電動ノコギリを使う場合。刃が進むかと思ったら全然進まなかったり、その逆が起こるから、気を引き締めて掛からないといけない。それに気を取られていてもいなくても、なかなか真っ直ぐに切れない。

では、硬い部分はどういうところかというと、赤みを帯びた部分、木目の幅が狭い部分です。柔らかいのはその逆です。ですから、切る前にあらかじめそれらをチェックして、切りやすい部分から切っていくようにすることがコツです。また、ハッキリ言って真っ直ぐ切るのは至難の業ですから、長手方向に(木目に沿って)切るか、多少大きめに切ってから削ることを考えるほうが良いかもしれません。さもなくば、ホームセンターでカットしてもらうのが一番良いですね。

ついでに、パイン材だけでなく、集成材についてよく誤解があるのですが、木を接合している部分と木そのものはどちらが強いかというと、実は接合部のほうが強いんです。電気ノコギリでカットして失敗したときも、木目に沿って割れて吹っ飛んでいきます(コレがあるから電動ノコギリはコワイんですが、収納マンは最近はジグソーを使うようにしています)。

第8回 パイン材(3) ~パイン材のネジの留め方

今回は、パイン材 にネジを留めるときに注意するべきことを少々説明したいと思います。

カラーボード などの加工材と異なり、パイン材は天然木ですから、木目があります。前回の「パイン材の切り方」では、この木目によって切りやすかったり切りにくかったりすることがあるということを説明しましたが、ネジを留めるときも、木目に気を付けなくてはなりません。

木端にネジ留めまず、木目と並行する向きにネジを留める場合。この場合は、木材の厚みの半分のところにネジを留めるなら、特に問題ありません(上写真)。しかし、それ以外の位置や、木目に対して垂直の向きでネジを留める場合は、ドリルで必ず下穴を開けましょう。そうしないと、下写真のように割れてしまいます。

割れるとこうなる・・・・基本的には、辺の部分にネジを留めるときは下穴は必要ないが、面の部分には下穴を開ける必要があると覚えておくと良いでしょう。ただし、パイン材にも種類は色々ありますし、辺の部分にネジを留めて割れた場合は、全て下穴を開けたほうが良いでしょう。

第9回 木質系素材の耐水性

「ここに棚があったらいいのになー」ってときに扱いやすい材料の一つとして、木質系素材があります。ホームセンターで売られているものの代表格としては、パイン材、カラーボード、MDF、OSBなどですね。こういった木質系素材は、鉄と違い加工が容易なので、比較的簡単に加工出来ますから、日曜大工にはもってこいです。
ただし、水気のある場所では変形しやすいのが難点。ここでは、水に濡れた場合、それぞれの素材がどのように変化するか、検証してみました。

検証条件:約1時間、それぞれの素材を水に浸し、完全に乾いてから変化を観察。

<パイン材(フィンガージョイント・無垢板)>
パイン集成材写真では全く分からないですが、よく見ると、木片ごとにあっちこっちの方向に変形して、板全体が波打ったような感じになっています。ただし、写真で見て分かりにくいほど、変化は少ないですね。
<カラーボード(ファルカタ材ランバーコア)>
カラーボード(ファルカタ・ランバーコア)写真では多少分かりにくいですが、表面の合板がややめくれ上がり、上方向に反ってしまっています。
<カラーボード(芯材=パーティクルボード)>
カラーボード(芯材=パーティクルボード)  上から見た状態
水に浸った箇所が膨らんでいます。右上の写真を見れば明らかですね。
<MDF(別名:スターウッド)>
MDF(スターウッド)ぱっと見た目、変化はありませんが、よく見ると、濡れた部分は染みになっています。今回検証した4つの中では最も変化が少なかったですね。





パイン材は店に並んでいる段階で既に反っていますから、さほど影響は無さそうですね。他方で、水周りや雨や湿気で濡れそうな場所では、カラーボードは適さないということが分かりました。今回は木質系素材の板を使用しましたが、カラーボックスを始め、ほとんどの家具はカラーボードのような素材ですので、注意が必要ですね。その他、今回は検証しませんでしたが、いわゆるコンパネなどは比較的、水濡れには強いようです。

第10回 プラスチックダンボール(1)

収納マンも非常によく使うプラスチックダンボール (通称:プラダン、サンプライなどの商品名)。今回はこのプラスチックダンボールの扱い方の基本です。

プラスチックダンボールまず、プラスチックダンボールの基礎知識。色は半透明、白、グレー、黒、緑、青、赤、黄など、一応色々あります。厚みは通常ホームセンターで売られている物は2mmもしくは4mmのもの。2mmではフニャフニャなので、私は通常4mmのものを多用します(もちろん用途に応じてですが)。サイズは最大で畳1枚分(910×1820mm)。ほか、その半分やまたその半分のものなどもあります。

通常は塗装や運搬の養生シートとして使う物ですが、通箱(かよいばこ)の素材としても使われています。静電気を起こしやすく、ホコリが付きやすいのと、接着剤や両面テープでは貼り付かないのが難点です。
反面、この素材を扱うメリットは、カッターナイフなどで比較的容易に切れること、畳1枚分で1,000円未満と比較的手頃な点です。

プラダン断面次に実際に加工する前に、加工する際の注意。紙製ダンボールと同様、「目」があります。縦横の溝の向きですね。目に対して並行には切りやすく、目と直角または斜めには切りにくかったりします。ですから、できるだけ目と平行に切ればOKと言えそうですが、そうでもありません。断面が見える向きを考えたり、力が加わる向きを考えて加工する必要があります。基本的には、長手の向きと目が平行にするのがベストです。

プラダンを切るでは実際に切ってみましょう。定規を載せてカッターナイフで切るだけですが、素材の性質上、定規が滑りやすいので、出来れば滑り止めの付いた定規を使って滑らないようにしっかりと抑えてください。写真のようなカッターナイフ付き定規があればベストです(写真の商品は廃番ですが同様の商品でスケールカッター SC-1 というのがあります)。これでカッターナイフを滑らせると、まず表面だけが切れます。

プラダンの切断面表面だけが切れた状態が右の写真です。このように表面にだけ切れ目を入れることにより、折り曲げる場合は折り目とすることが出来ます。普通に折り曲げようとすると、目が潰れてしまってキレイに折り曲げることが出来ないので、折り曲げる必要がある場合はこのようにします。

切断する場合は、切れ目に沿って大型カッターナイフを入れて切るか、裏面から切れ目を入れて切断します。

第11回 プラスチックダンボール(2)

今回はプラスチックダンボール を使った箱の作り方です。この方法をマスターすれば、基本的にはどんな寸法でも好きな大きさの箱を作ることが出来ます。

まず箱を作るには展開図を描くところから始める必要があります。子供の頃に算数の時間にサイコロの展開図を描きましたよね?基本的にはあれと同じです。しかし注意しなければならないのは、カットする相手が厚紙ではなくプラスチックダンボールであるという点。ここで使うプラスチックダンボールは厚みが約4mmあるので、それを考慮してカットする必要があります。

例)W120×D200×H80mmのフタの無い箱を作る場合

展開図

W120×D200×H80mmなのに、プラダンに展開図を描くとそういった数字はまず出てきません。例えば奥行(左右方向)が192mmとなるのは、側面を立てたときにその厚みが左右に4mmずつ出るから。また、のりしろ(赤色部分)の大きさは自由でよいのですが、これは箱の内側に入り込むため、それに繋がっている側面は余裕を持って5mmずつ短くなり、182mmとなるのです。慣れるまではちょっと簡単には展開図は引けないかもしれないですね。実際にこのように線を引き、組み立ててみるとW120×D200×H80mmの箱が出来上がります。

次に、のりしろ部分で箱を固定するにはどうするかですが、基本的には2通りの方法があります。まず1つは、ガムテープのような幅のあるテープ で外側から貼り付ける方法。2つめは、キリで穴を開けて結束バンド で留める方法です。1巻1000円以上する超強力両面テープで内側から留める方法もありますが、さほどオススメできません。

結束バンドで留める方法
↑結束バンドで留める方法
養生テープで留める方法
↑養生テープで留める方法
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