収納マンの「日曜大工教室」

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ピッタリサイズの収納グッズを作るのに役立つ
収納DIYの基本を紹介します!

第12回 ままごとキッチン(1)

今回からはカラーボックスを使って子供用のシステムキッチン型収納を作っていきます。難易度マックス、考えもっての作業だったので収納マンでものべ3日ほど掛かりました。工具も結構色々いるので、「我こそは!」と思う方はトライしてみて下さい。

さて、本体となるのはアイリスオーヤマ製のカラーボックスCX-3。他の一般的なカラーボックスと違い、フラッシュ構造ではなく、ベタ芯なのでどこにでも穴あけ、ネジ留めできるので、今回はこれを使います。その他、下表のようなアイテムを使います。

材料一覧 (*色やサイズ、量など、材料はお好みで変えてください)
商品名
CBボックス CX-3 ホワイト 1
CB引出し CXH-27 ビーチ 1
CBボックス用キャスター2個セット(横置き用) CXK-2 3
CBボックス用木製扉 CXD-27W ビーチ 2
野いちごプチママキッチンスクール♪コンロセット(廃番?) 1
ステンレス製深バット 1
ポンプ式シャンプーボトル 1
シナ合板(450×600) 1
スクリュー木ダボ 1
面テープ 1
リード線  
φ15mmラミン丸棒 1
アクリルケース(100円均一) 1
ゼリー状瞬間接着剤 1
木ねじ

シンク部分切り抜きそれでは早速、カラーボックス本体の加工から。カラーボックス本体をくり抜いてステンレス製深バットをはめ込み、シンクとします。まず深バットの縁を除いた大きさの線を鉛筆で引き、枠の内側数cmのところにジグソーの刃が入るくらいの大きさの穴を電動ドリルで空けます。次に曲線切り用の刃をセットしたジグソーで線をなぞるようにカラーボックスを切り抜いていきます。失敗すると、カラーボックス1個分のお金がパーになりますので、くれぐれも慎重に。

ジグソーなんて持っていないし、使ったことも無いという方が多いと思いますが、加工室を備える一部大型ホームセンターで数百円程度で1泊からのレンタルも出来ます。また、多少力は要りますが、ハンドミシンのように手軽に扱える電動工具です。

次に、ポンプ式シャンプーボトルのポンプ部を使って水栓を作ります。これは簡単で、先ほどのシンク部分の少し奥側にここではφ16mm程度の穴を電動ドリルで開け、ポンプ部を差し込むだけです。あとは深バットを先ほどくり抜いた部分にはめ込み、ここまででシンク周りは完成です(穴の大きさはポンプの大きさに合わせて調節してください)。

第13回 ままごとキッチン(2)

おもちゃのコンロセット
写真(1)
今回はコンロ部分を作っていきます。まず、写真(1)のオモチャのコンロを分解し、電気的に繋がっている部分以外の、ネジなどで固定されている部品を全てバラします。
リード線を延長させた様子
写真(2)
次に、はんだコテを使って基盤からマメ球部分とスイッチ部分を、接続位置を確認しながら一旦外し、マメ球部分を90cmずつ、スイッチ部分の短いほうを20~30cmほどリード線で延長します(写真(2))。
ハウジングを被せた様子
写真(3)
そこまで出来れば今度は、ハウジング(プラスチックのケース)の中に、基盤、スピーカーを戻し、スイッチ2個とマメ球2個は外に出るように、ハウジングにジグソーなどで切り込みを入れて線を圧迫しないように外側に出し、これで電気関係の部分は完成です(写真(3))。この際、写真のように、スイッチ部分とマメ球部分がハウジングのそれぞれ反対側から出てくるようにすることに注意してください。

・・・・と、このように説明するのは簡単ですが、実際にやるとなると、非常に小さな基盤のハンダ作業になるので、電子工作の経験が無い人には難しいと思いますので、自信が無い人は音が鳴ったり、光ったりというようなギミックは諦めて、この電子工作部分は使わずに、表面的な部分だけ真似て作業してもらったほうが無難だと思います(後々の機械的な部分を細工するのにも、非常に高度な技術が必要となってきます)。


100円均一のアクリルケース
写真(4)
今度は引出部分を作っていきます。引出2杯のうち1杯は普通に組み立ててもらっていいんですが、もう1杯は先ほど組み立てた電子部品を取り付けますので、組み立てずに加工していきます。
まず、写真(4)のような100円均一のアクリルケースの長手の面を引出の前板の厚みと同じになるようにジグソーでカットします。そして、その寸法にピッタリ合うように、引出前板をカットします。四角の4頂点をドリルで穴あけし、ジグソーの刃を走らせて切り抜くわけです。
引出前板(穴あけ加工済み)
写真(5)
次に、その四角く切り抜いた両脇に穴を開けます。スイッチの収まる穴です。手前側をφ21mm程度、深さ5mm程度穴あけし、φ16mmで貫通します(上から見た場合の断面図参照)。このとき、先にφ16mmで貫通してしまうと、φ21mmの穴を開けようとしたときに中心を捉えることが出来ませんので、まずφ16mmでドリルの先端が裏側から表側に出るかで無いかのポイントで回転を止め、反対側(表)からφ21mmで穴あけをする必要があります。ちょっと、高度なテクニックですね。
引出前板断面図
断面図(6)
このまま一気にこの部分を作ってしまいたいところですが、まだまだ高度な技が要求されるので、今回はとりあえずここまで。ここから、アクリル板を取り付け、スイッチ部分にカバーを取り付けるなどしていくので、ちょっと一旦そこまで見ないとこの部分はどうやれば良いかもう一つよく分からないと思いますが、それは次回のお楽しみということで・・・・。

第14回 ままごとキッチン(3)

アクリル窓取付
↑写真(1)
今回はコンロ部分の続きから。まず、カットしたアクリルケースを引出前板にはめ込み、ゼリー状瞬間接着剤で固定します(写真(1))。
コンロ本体取付
↑写真(2)
次に前板裏面(内側)にコンロ本体とスイッチ部分を固定します。コンロ本体は写真(2)のように内側から木ネジ(長さ15mm程度)で留め、スイッチ部分は基盤を固定してあったプラスチック部品(ピンク色の部品)に取り付けたままの状態で、適当な寸法にカットしたシナベニアをスイッチ裏側から瞬間接着剤で固定し、写真(3)のように長さ15mm強の木ネジで固定します。
内部部品取付完了
↑写真(3)

ここまでのところは、口で説明するのは簡単ですが、実際にやってみると結構手こずる所です。今回は運良くカットしたアクリルケースが引出前板をくり抜いたところにピッタリと納まりましたが、カットしたアクリルケースにピッタリ収まるように引出前板をジグソーでくり抜くのはかなり難しいと思います。
また、スイッチ部分とコンロ本体を固定する際は、まずスイッチ部分を裏側から押さえるシナベニアの大きさと、シナベニアとコンロ本体の位置関係に注意する必要があります。必ず、これらがぶつからないように位置を確認してから取り付けなければなりません。

ここまで出来たら一安心・・・・と言いたいところですが、実はここからが最も高い技術が求められるところです。
引出前板の厚みによって生じた、スイッチ部分とスイッチの間のすき間を埋め、スイッチが機能するように、スペーサーを作って間に入れます。
φ15mm程度のラミン丸棒を、生じた隙間に合うように長さをカットし、滑らかにスイッチが押せるようにヤスリで丁寧に削ります。これが本当に難しいんです!頑張ってください!

スイッチ部スペーサー詳細

↑写真(4)

前面カバーここをクリアできたら、今度は小汚い部分を隠すカバーを製作します。完成形が左写真です。スイッチとアクリルケースで作った窓の部分をくり抜いてカバーを製作します。シナ合板でしたらカッターナイフで何度か切りつければ比較的容易にカット出来ますから、ここまでクリアできた方なら問題ないでしょう。スイッチがカバーに擦れてうまく押せないようにならないように、またカット面で子供が怪我をしないように、特にカット面を中心に丁寧にヤスリを掛けることも忘れないでくださいね。

次に、内側にもカバーを取り付けます。子供に配線などを触られると壊されかねないし、危険だからですね。引出全体を組み立ててから、模式図(6)のようにカバー上面は引出横枠に乗るように、カバー側面は引出前板と平行となる状態でちょうど収まるようにシナベニアをカッターナイフでカットします(写真(7))。カバーを付けるとせっかくアクリルで窓を付けたのに台無しですから、カバー内側には魚の絵を描いて貼り付けます(写真(8))。

引出内部模式図
↑模式図(6)
内部カバー部材
↑写真(7)
魚の絵を貼り付けた様子
↑写真(8)
面テープを貼り付けた様子
↑写真(9)
内部カバーを取り付けた状態
↑写真(10)

今度はこのカバーとなる板を取り付けるのですが、後々電池交換などのメンテナンスが出来るように、100円均一で買ってきた粘着式面テープ(マジックテープ)で取り付けます。まず写真(9)のように引出横枠上面とコンロ本体に面テープを貼り合わせた状態で接着し、反対側の接着面を出してカバーとなる板を取り付けます。こうすれば位置合わせをすることなく簡単にカバーが取り付けられますね(写真(10))。

引出完成(正面図)非常に難しい作業ですが、これで引出部分の難所は完成です。ちゃ~んと、窓から魚が見えていますね?ふと我に返ると馬鹿馬鹿しい作業ですが、完成時に娘が喜ぶ姿を想像すると途中で諦めることが出来なくなってました(笑)実際、完成して娘の前に置くと、ボタンを押すと光って音が鳴り、窓から魚が見えるのを見て「おとと!」と言ってくれたときは、心底作ってよかったと思いました。難しいけど、頑張って作る価値はありますね!

第15回 ままごとキッチン(4)

コンロ部分上面
↑写真(1)
いよいよ製作も大詰めです。前回までに作ったコンロの機械部分の上、本体側の加工から。カラーボックス本体上側にドリルで穴を開け、それに合った適当な大きさの円形の板をシナ合板で作ります。ここで注意しなければならないのは、まずここで使ったオモチャのコンロセットを使う場合は、光る部分の部品の大きさが左右違うこと、また凸状になっていることです。

ここまで出来れば、光る部分の部品を穴に入れ、ゼリー状瞬間接着剤で固定し、電球を下側からテープで留めればいいんですが、その前に引出ストッパーを取り付けます。引出から本体にリード線が伸びるので、子供が引出を引っ張り出してしまうと、リード線が切れたり、感電する恐れがあるからです。また、引出を引っ張り出した際に、引出が子供の足の上に落ちてケガをするのを防ぐ目的もありますので、ここは結構重要です。
ここでは、カラーボックスの梱包材として使われていたパーチクルボードの端材を再利用します。写真(2)のように穴を開け、そこにスクリューダボ(木ダボ)を1本差し込み、端材全体を木ネジでカラーボックスの内側から留めます。ちなみに木ダボは、ペンチで挟んで抜けるくらいにしておいたほうが安全性が高く、修理などが必要な際には木ダボを抜いて引出を外せるようになります。なお、位置は適当に調節してみてください。出来るだけ手前が望ましいですが、機械類を隠したカバーに当たらないように注意する必要があります。

引出ストッパー
↑写真(2)
カラーボックス断面模式図
↑断面図(3)

コンロ部分完成図次に、引出を入れ込むのですが、断面図(3)のように配線をし、引出の底でテープなどでリード線を留めてください。こうしないと、下の引出に入っているオモチャに引っ掛かって切れる可能性が高いからです。
これでようやく、大変だったコンロ部分の製作が完了です。下の引出も入れた状態が左の写真です。なんだか、タヌキの顔に見えますが(笑)
配線自体は難しくないのですが、ハンダ不良やスイッチ部分の当たり具合によって、音や光がうまくいかないことがありますが、その場合は微調整をしてみてください。

最後に、シンク下に扉を付けて完成ですが、ここでも気を緩めないでくださいね。通常、このカラーボックスに扉を付ける場合は全部同じ方向にするのが基本になっていますので、写真(5)のようにマグネットキャッチを互い違いに、上下方向に少しずらして取り付けないと、ネジが両側から同じ位置に入ってしまうので取り付けできません。扉側の受け部分の位置も見ながら調整して取り付けてくださいね。

扉マグネットキャッチ
↑写真(5)
完成図
↑写真(6)

これで、ようやく完成でーす!いかがですか?シンプルですが、ちゃんとキッチンの形状をしているでしょ?これを作ってから2ヶ月以上経ちますが、ウチの娘は毎日これで遊んでくれてます♪右下写真のように、引出の中はままごとセットがいっぱい入っています。

そうそう、実はこれ、「収納マンが行く!第14話」で使ったカラーボックスなんですよ。左下写真と比べてみてください。ね、同じでしょ?間に渡していたカラーボックスをキッチンに改造して、幅900mmのカラーボード(CBボックス用ではありません)を2枚、代わりに渡して、収納物のレイアウトを変えたんですね。収納性もバッチリでしょ?
カラーボックスは魔法の収納グッズではありませんが、安い素材も手間暇掛ければ色んな使い方が出来るんです。皆さんも一度、トライしてみては?

設置した様子
↑写真(7)
引出の中
↑写真(8)
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