カラーボックス収納術

カラーボックス収納術

カラーボックスを使った収納術。
カラーボックスの基礎知識からカスタマイズまで。

カラーボックス収納術(1)基本編

カラーボックスとは、明確な定義はないのですが、右写真のように構造を非常にシンプルにした収納家具のことです。高度経済成長期から普及が始まり、現在に至るまで、メジャーな収納グッズのひとつと言えるでしょう。
カラーボックスはシンプルで低価格な庶民の味方とも言える収納用品ですが、シンプルだからこそ奥が深いと言えるところもあります。そんなわけで今回はカラーボックスを徹底解剖&正しい使い方までを特集します。

※便宜上、ここでは右写真のような1列3段のもの(固定棚式)を中心に扱います。

1. カラーボックスの基礎知識

  • カラーボックスは三六合板(3尺×6尺=約90×180cm)をカットして最も歩留まりが良い(無駄がない)寸法で作られる。そのため外形寸法は幅450×奥行300×高さ900mm以下が基準となっており、また低価格で提供することができた。
  • エースラックの製造元である大洋株式会社社長によると、同社は国内でカラーボックスの製造を始めた先発メーカーの1社であり、国内だけでなく海外にも大量に輸出。当時は受注に生産が追い付かず、連日工場の周りをトラックが囲んだという。現在では東南アジアなどから家具を輸入する立場の日本にとって、大変興味深いエピソードである。
  • 現在ではホワイト、ナチュラルなどの色が主流のカラーボックスだが、高度経済成長期はライトグリーン、オレンジなどのカラフルな色が主流であり、それが「カラーボックス」と呼ばれる由縁になったと推測される。
  • カラーボックスのサイズ等に統一規格はありません。例えばニトリのカラーボックス(MCB-9045 WH)は450×300×890mmですが、アイリスオーヤマのCX-3 は415×290×880mm。特に幅(正面から見た短辺)に違いが出ます。また、棚板の厚みも微妙に異なり、ニトリは17mm、アイリスオーヤマは12mmです。素材もニトリはフラッシュ合板といって中空になっている部分があるためネジを留められない部分がありますが、アイリスオーヤマはベタ芯といわれる中空がない合板ですのでどこでもネジ留めできる一方、そのものが結構重いという性質があります。また、ネジの大きさ、取り付け位置も、メーカーによって微妙に異なります。
  • ニトリのカラーボックスは入れるモノの大きさに合わせて棚の高さが替えられる便利さの半面、全体がグラグラするというデメリットがあります。このような可動棚式のカラーボックスは以前は無印良品やケーヨーD2などでも取り扱っていましたが、現在は取り扱っていません。

2. カラーボックスを使うメリット&デメリット

カラーボックスを使うメリット

  • 価格が安い(実売価1,000円前後)。
  • 縦向きでも横向きでも使用できる。
  • 組み立てが簡単。
  • シンプルな構造のためカスタマイズしやすい。
  • 寸法が日本の住宅のモジュールに合っている。

カラーボックスを使うデメリット

  • 画一的な寸法のため、何でも入りそうでそれほど使い勝手は良くない。
  • 見た目がチープ。
  • アイリスオーヤマのCBシリーズ などはオプションパーツが豊富で使い勝手が良いが、組み合わせていくとそれなりの値段になってしまい、普通の組立家具を買ったほうが、見た目、使い勝手ともに良い場合がある。

3. カラーボックスに収めるのに適したモノ&適さないモノ

カラーボックスに収めるのに適したモノ

  • B5版のノート、書類、書籍(縦向きに使用時)
  • A4版のノート、雑誌、ファイル(横向きに使用時)
  • 絵本(サイズにより縦横いずれかの向きで使用)
  • 積み重ねたタオル(縦向きに使用時)
  • 調味料(縦向きに使用時)
  • 洗剤

カラーボックスに収めるのに適さないモノ

  • 文庫本・単行本・マンガ
  • CD、DVD、ビデオテープなどのAVソフト
  • 小物
  • オモチャ
  • 衣類
  • 食料品
  • 食器

  • カラーボックスは基本的に簡易な棚であり、おおよそ引出に入れたほうが良いモノの収納には向かないと言える。
  • カラーボックスに収めるモノは小さすぎてもダメ、大き過ぎても当然無理なので、結局収めるのに適したモノの大きさは意外と限られていると言える。
  • 上記のようになる最大の原因、カラーボックスの最大の欠陥は、一般的に棚板がすべて固定式となっている(棚板の高さ調節ができない)ことである。
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