収納格言

収納格言(71~80)

なぜ片付かないか、片づけるとどんないいことがあるかが分かる収納格言。
「収納のコツ」の何たるかが会得できるかもしれません。

第七十一条 「収納のコツはカテゴリ分け」

鍋はキッチンに、洋服はクローゼットに・・・・・どんなに収納が苦手な方でもこれは分かると思います。他方で、常備薬は?乾電池は?と聞かれると、どこに置いたらいいか迷ってしまうことが多いようです。
このような「どこに置いたら良いか分からないモノ」を片付けるときのコツは、やはり「頭の収納」です。例えば、常備薬で主に水が無いと飲めないものならキッチン周りで良いでしょうし、乾電池ならそれを使う機器から近い場所にまとめて収納するとか、工具類と一緒にするとか、消耗品と考えて電球の予備や日用品のストックと一緒に片付けるという方法があります。
要は、自分が最も関連性が深いと思う場所や関連性の深いものと一緒に片付ける、これをカテゴリ(品群)分けと言います。これを頭の中でキッチリやっていけば、片付けるときに迷いませんし、探すときにも迷いません。もちろん、カテゴリ分けの仕方は、何が正しいというわけではなく、自分自身が主体になって決めることです。
収納と投資・・・・・一見、全く関係が無い2つのキーワードですが、実は類似点があります。それは、儲かること=得をすることにお金を投じる投資と同じく、収納も、メリットが大きいところから順にお金を投じるという点です。
ケチってばかりいては大事な時間と労力を無駄にするだけなのが収納。必ず、優先順位の高い、使用頻度の高いものから順にお金をかけなければいけませんし、逆に言うと、ほとんど使わないモノのためにお金を使うなどはもってのほかです。

第七十二条 「収納に正解は無い」

片付けをしている最中に、「こうしたほうが良いかな?ああしたほうが良いかな?」と思案するのは、最も最悪です。こういう「頭の収納」は作業に取り掛かる前や、分別作業を一通り終えてからするべきことで、作業中にやるべきではありません。
また、このように思案するのは、ベストな選択をしようとするからです。収納に、「完璧」「正解」「ベスト」などというものはありません。あるのは、「ベター」のみです。なぜなら、そこに住む人の生活や考え方は日々変わりますし、モノも毎日入れ替わるからです。その日の「完璧」「正解」「ベスト」は、明日になれば崩れ去ります。
いくら収納を頑張っても、生産性を上げることは出来ても、片付けそのものには生産性はありませんから、100%を追求するのは、限られた時間を有効に使うという点において、大きなマイナスです。

第七十三条 「収納はDIY」

DIY・・・ホームセンターの別称として使われることも多いですが、'Do It Yourself'、つまり、「自分なりにやりましょう」ということです。プロがやるみたいに、ある意味、テレビ映りが良いようにやるのではなく、自分が妥当と思うレベルまでをやる、自己満足で完結すれば良いのです。
また、あなたの周りにあるモノは、もちろん家族が集めてきたモノもあると思いますが、それ以外はあなたが集めてきたモノです。あなたが、家に入ってくることを認めたモノと言ったほうが正しいかもしれません。カバンが好きな人は、カバンが好きだから、カバンが家に多い。他人に「これあげる」と言われたら断れない人の周りには、何だかよく分からないモノが集まる。全てのモノが、あなた自身を表現していると言っても過言ではないでしょう。
あなた自身が寄せ集めたモノだから、結局は、あなた自身の片付け方をしなければ完結しないのです。「これは人にもらったから」とか「これは昔気に入っていたモノだから」とか言い訳ばかりしていては、そういうモノに対するルーズさから脱却できず、いつまで経っても片付かないのは当たり前です。

第七十四条 「屁理屈と言い訳は収納の敵」

片付けが苦手な方には、屁理屈と言い訳が上手な方が多いですね。理屈で説明されると弱い、けど屁理屈と言い訳を言っては、笑って誤魔化すか、うやむやにしてしまうというパターンが多いようです。
理屈と屁理屈は紙一重です。屁理屈も理論立てて解釈すれば十分理屈として成立します。だから屁理屈や言い訳は構わないのですが、笑って誤魔化したり、うやむやにしては勿体無いですね。片付けが出来ない理由を突き詰めて、問題解決への近道としましょう。

第七十五条 「モノは人を映す」

片付け方は、人によって、状況によって、モノによって、変わってきます。中でもモノによる影響は大きいですね。なぜなら、モノは自分自身を映し出しますから。
モノが勝手にそこへやってきたわけではありません。いただきものにしろ、自分が許可したからそこにあるんですね。基本的には、自分が好んだものだから、そこへ集まってくる。例えば、本が嫌いなのに、本がいっぱいになることはありえませんよね?
本がいっぱいあるなら、自分が本に対してどういう価値観を持っているかを知ることも、片付け方を考える上で重要です。コレクションするのが大好きなら、キチンと本棚に並べるでしょう。読むのが好きなら、そばに置いているほうが落ち着くのかもしれませんね。必要悪で(仕事などで)読むだけなら、減らすことは出来るんじゃないでしょうか?
自分を知る、モノから自分を見る・・・・・収納を考える上では、どちらも大事です。

第七十六条 「収納は動線が決め手」

収納スペースごとに効率よくモノを入れ、使い勝手をよくすることも大事ですが、部屋全体や家全体で見たときの動線もチェックすることが大事です。収納スペースごとの動線は「作業動線」、部屋全体、家全体の動線は「生活動線」と呼びますが、どちらもシンプルにするに越したことはありません。
動線があまり複雑に絡みあっては作業や移動がしにくいですが、動線スペースは生活のゆとりスペースにはなりませんので、必要最小限にとどめる必要があります。

第七十七条 「事件は現場で起きている」

先日、テレビで「踊る~」を見ました。収納の基本はいろんな物事の道理と重なっているとは思っていましたが、まさかこんなところまで・・・・と気付いたことを書きます。
例えば何か事件が起これば現場に残された遺留品から推測しますね。収納も同じ。部屋の状況から読み取れる「片付かない原因」はたくさんあるはずです。
また「事件は現場で起きている」に対する迷言「事件は会議室で起きている」というのがありましたが、実は現場も会議室の中でも、事件の解決を願っているのには違いないのですね。収納も、頭では理解していても手が動かない、ということがあります。「収納は頭」ですが、頭でっかちでもいけません。他方で、何も考えずに作業にかかっても無駄です。そういう点では、収納もインテリアもバランスが大事です。

第七十八条 「収納は案ずるより生むが易し」

収納は「頭の収納」が大事ですが、いくら考えてもどうしようもないことがあるのも事実です。ですから、そういう時はまず行動です。具体的には、まず分別作業をやってみることです。
ここで注意していただきたいのは、「生む」ということです。「新たに生じる」という意味ですから、収納グッズを買ってくるということではありません。必ず、一旦「0(ゼロ)」に戻して、もしくは「0(ゼロ)」から始めないといけません。つまり、頭の中をリセットして固定概念を外す、今の状態をぶち壊す、ということですね。行き詰ったときはスタート地点に戻るのが一番の近道ですから。

第七十九条 「収納は安く付く」

収納は「楽」で「得」をすることですが、インテリアはお金が掛かります。収納マンは昔はよく家具屋で接客をしていましたが、お客さんがよく言う言葉「良いと思ったら高いわね~」というのは、まさしくそれを表しているのだと思います。
見栄えを良くするのには、時間もお金も掛かる。収納は、時間を省き、お金を掛けないでやって、しかも継続的に「楽」と「得」を手に入れるんです。だから、これらを同時にやるのはいけません。

第八十条 「収納に生産性は無い」

収納について、ことさら熱く語っていると、「収納がいかに大事か」ばかり強調しているように思われるでしょうが、実はそうでもありません。なぜなら、片付けをいくら完璧にやっても、専業主婦ならそれで高い評価を受けることもありうるでしょうが、ほとんどの方にとっては、生産性を上げるためのコンディション作りに過ぎず、それ自体が生産性に直結するわけではありません。片付けをしなくても、生産性にさほど影響が無ければ、問題にする必要は無いと思います。
家の設計をするときも同じです。収納スペースばかり気を取られていては、肝心の生活スペースが、ないがしろになってしまいます。
生産性を上げるための行動が「攻め」だとすれば、収納は「守り」です。何事もバランスが大事です。

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